吃音は、発達性吃音と獲得性吃音に分かれます。
吃音の多くは発達性吃音です。幼少期から10代前半にかけて発症し、脳の損傷などは見られず、多くは幼少時に自然に治るが、約1%は継続する。
国立障害者リハビリテーションセンター・吃音についてはこちら。
《発達性吃音》については、吃音は幼児期に約5%発症し、約4%が自然治癒するといわれる。原因はなりやすい体質(遺伝を含む)が約70%、環境が約30%といわれ、
両方の条件がそろったときに吃音が発症するといわれ、治療法は確立していない。中学生以上でも自然治癒がみられずさらに苦手な場面が増える。症状をもち成人に至ることがある。人種を問わず人口の約1%が吃音を持っているといわれる。
《吃音の性差》男子の方が女子に比べ3〜5倍多い。しかし、吃音を持った女子には特有の悩みがあるといわれ、女子はどもりながら話すことを男子以上に恥ずかしいと感じ、隠す傾向にあり社交不安障害の合併の割合が高いという。
《発達性吃音は3種類》
●連発(れんぱつ)、同じ語が続けてでる。
●伸発(しんぱつ)、語が引き伸ばした発声となる。
●難発(なんぱつ)、語頭がつまって発声が困難な状態。
これらが混ざることもあるが難発のある人は随伴症状を起こすことがある。発声しようとして体の反動などを使い首を振ったり、腕を振ったり、足ふみやどこかに力を込めたりすることがある。随伴症状で偶然発声出来たことで止まらなくなることがあり、環境意識を変えることで緩和出来ると考えています。
◎吃音の現状は「発語の問題」だけではない。
吃音者は予期不安や場面回避の傾向があり、生きづらさを感じる吃音者が多く、子供時代の体験(いじめ・教師の無理解による)や、大人になっても酷くどもった体験で社会との交わりを避けてしまう人がいます。会話の中に入っていくことの恐れ、分かっていても雑談が苦手。相手の話について行けない、長く電話を避けてきたため通話が怖く電話が苦手になってしまう。引きこもりになりやすい。反面、失敗と成功を重ね吃音を持ちながらも前向きに社会と交わっている人もいます。
《獲得性吃音》には、大人になってからの脳卒中などの病気が原因となって起こる吃音。脳の損傷などにより起こる神経原性吃音と、ストレス要因などにより起こる心因性吃音があります。神経原性吃音とは、脳の器質的な問題により起きている吃音です。失語症と合併して現れる場合が多い。発達性吃音と違い随伴症状がほとんど見られないことは、神経原生吃音の特徴の一つ。
◎吃音は、相手がいるので発症しやすい。
ひとり言・独唱・合唱などの歌や詩吟などリズムが付く発声は吃音者でも殆ど吃りません。
一人朗読で吃っている人でも、二人で同時朗読すると殆んど吃りません。一人での練習(発声練習以外)はあまり効果はあがりません。大勢の前で一人発声練習する場合(場面とすれば皆無)は吃る可能性はあります。
◎吃音の治療については確立したものはないが、直接法と間接法があげられます。
直接法は、例会などの練習という概念ですが、練習の実績や治療に何年もかかり、確立した治療法ではないので、現在の医学では残念ながら「必ず」ということは言えないと思います。
いろんな場面設定をして慣れる練習をすることは有意義です。練習メニューとして吃音改善研究会の方法を私はお勧めします。
間接法とは都筑澄夫先生などが行っているメンタルリハーサル法があげられます。ここでは詳細は充分にお伝えできませんが、今の状態から過去へフイードバックし幼少時のイメージに遡る方法と聞いています。本ページの吃音の進展段階・図説を参照下さい。なおメンタルリハーサル法を行うには医師の紹介などの手続や専門性がないと難しいといわれ、吃音専門の医師や病院は少なく言語聴覚士においては大人の吃音に対応は難しいようです。
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